ライ麦パンの歴史


ライ麦を主原料としたパンは、ヨーロッパではかつて黒パンと呼ばれ、主に北部・東部で食べられていました。
これはライ麦が小麦より寒冷地帯に生育するので、ドイツやスイス、オーストリア、北欧・東欧などで
パンの主原料になっていたためです。
小麦を主原料としたパンは白パンと呼ばれ、ローマ時代以降は主に南・西部のヨーロッパで食べられていたのですが、
中世ごろのヨーロッパは穀物不足が慢性的に続いていたので、
庶民は小麦に大麦やライ麦を混ぜて食べるようになっていったのです。
18世紀の終わりごろには、西ヨーロッパの貴族階級ではない庶民の人々は小麦とライ麦の混合のパンを
食べるようになっていました。
小麦が普及した現在でも、ドイツをはじめ、北欧やロシアではライ麦を使用したパンが日常的に食べられています。


*噛むほどに味わい深いライ麦パン

ずっしりと重く、コクがあって程よい酸味を持つライ麦パン
素朴すぎるほど地味なパンですが、その飾りたてない姿
ドイツには1200種類ものパンがあるといわれています。
一方フランスでは200種類ほど。この数がいかにすごいものか、わかると思います。
ドイツには地域ごとに伝わるパンがあり、その土地の気候風土によって小麦とライ麦の配合や
麦の挽き具合が微妙に異なってくるのです。
ですから、実にたくさんの種類のパンがあって、北に行くほどライ麦を多く含むパンが食べられています。
これは食事と関係があることで、北の寒い地方の人たちは肉料理などの脂肪を多く含むものが主体の食事になるため
さっぱりとした酸味のあるパン、つまりライ麦がたっぷり入ったパンが欲しくなるというわけです。
硬いのでしっかりと噛みしめてください。
噛むことによってライ麦パンのよさが、じんわりと味わいとともに伝わってくると思います。


*ライ麦パンのカロリーと栄養

ライ麦パンのカロリーですが、内容量100gでライ麦パンと食パン、フランスパンを比べてみると、
ライ麦パンが265カロリー、食パンが260カロリー、フランスパンが293カロリーとなります。
食パンよりも低カロリーかなと思っていたのですが、意外ですね…。
ですが、よく噛まないとならないことを考えるとライ麦パンはダイエット食に適していると言えるでしょう。
噛むことで、少ない量でも満腹感を得ることができますし。そのほか、ライ麦パンは栄養面から見ても
炭水化物、たんぱく質、ミネラル、食物繊維を一度に摂ることができる優れた食べ物です。


*ライ麦パンの食べ方
独特の味がするライ麦パンは、そのまま食べてもおいしくないと感じる人も多いようです。
ライ麦パンのおいしい食べ方を挙げてみますね。いろんな食材との組み合わせで、ライ麦パンの新しい味を発見して下さいね。